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社会人を目指すキミと、十勝で働き暮らすことについて考える

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ないものねだりの終着点

この記事を書いた人/ 堀 友莉伽
大学・学部/産業能率大学 経営学部経営学科3年

自己紹介

  堀>座右の銘は、「天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者に勝てない」。好奇心を全開にやりたい・行きたいと思ったことはすぐに行動にしてきました。今後は、やりたいの果てを迎えないように、楽しみつつ沢山冒険して新たなやりたいを見つけていきたいです。そして、周りに影響を与えられる人間になりたい、そんなことを思っています。

 地元が帯広の高田さんは、専門学生時代に札幌へよく行っていた。札幌といえば、北海道の首都で観光の名所も多くあり、なにより帯広に住んでいる若者が洋服などの買い物をしに来るような街である。その札幌より都会といわれている東京がどうなっているのか興味が絶えなかった。調理学校を卒業後、高田さんは永住しないつもりで興味を追うように東京へ上京したのだ。

東京での暮らし

 東京へ上京してしばらくは飲食店を転々とし、その後バーテンダー、そしてイタリアンレストラン、カフェレストランにてマネジメント業に就き、気がつけば10年という時が流れていた。東京で過ごす時間の流れは早すぎる。アクセスの良い所に住んでいたということもあり、交通手段は自転車・電車・バスで大半は電車を利用する日々。電車の時間を気にしながらテンポ良い生活を送っていたため、何かを考えるということもなく時が流れていった。

 さらに東京はヒトの流れも多く、出会いがある。飲みの場で知り合ったという先輩にはバーテンダー時代に沢山可愛がってもらい、沢山刺激を受けたという。その先輩が聞いている音楽や考えに影響を受けまくり、「料理人やる気はないのか」と言われ続けていたことがきっかけでのちに料理人として何かできることはないかと考えるようになる。

 そして奥さんと出会い、子供を授かりいざ子育てという段階で高田さんは子育てをするのであれば北海道が良いと思い始めた。それまでは、東京は交通機関が揃っていて良い場所だと思っていたに違いはない。しかし東京で、待機児童問題に直面したのと同時に、近所の公園は小さく、人が密集してしまい広々と遊ぶには物足りないと感じるようになった。高田さん自身ものびのびと育ってきた分、子供にも自然でのびのび育ってほしいという思いがあったのだ。結果、地元である十勝に帰るという未来しか見えなくなった。

十勝にあるもの

 十勝にあるもの、それは居心地の良さである。もともと地元であることが大きいが、十勝には普通に買い物をするところがあれば、カラオケやショッピングセンターもあり車があれば不自由なく暮らせる環境が整っている。車であれば、電車と違って時間に縛られることなく自分のペースで行動ができる。

 この居心地の良い十勝、その割には盛り上がっていないと高田さんは感じていた。十勝をもっと盛り上げていくにはどうすればよいのか、さらに東京で培ってきたスキルを活かして魅力を発信していければ…!という想いで十勝での仕事を探していた際に市役所の方から仕事探しの登録を促され、それらの想いをプロフィールに書いて逆オファーで声がかかった会社が現在勤めているそらである。そらは、十勝を盛り上げていこう、魅力を伝えていこうという高田さんの「やりたい」を実現できる場所であった。そこで、冷燻工房の担当責任者として活動していく中で、燻製に関わらず冷燻という技術を使って十勝の食材の魅力を広める第一番手でありたいとし、十勝に貢献していきたいというビジョンを見出していった。

「そら」だから感じたこと

 十勝の食材は東京で有名なシェフも褒めるほど美味しい食材だ。高田さんのやりがいは、そんな食材と冷燻(燻製法の一種。25度以下の低温で燻製する方法)という技術を掛け合わせたらどういう化学反応が起こるのか見ていくこと、そして工房が建築されていく様をみていくこと、工房を作り上げていくことである。そらには、従業員一人ひとり違う価値観・意見を尊重してみんなで施設を作り上げていく環境がある。互いを認知し、認め合う中で自分のスキルを発揮していける職場にいるからこそ、ここまでのやりがいを感じられているのであろう。

エピローグ

 気づいた時には十勝で暮らすことを考えていた高田さんは、なるべくして十勝に戻って来たと言っていた。十勝が大好きな人間が集まる会社そらと高田さんが出会ったのは運命だったのか。話を聞くと高田さんには様々な思いが背景にあったことを踏まえたら、それは必然だったのかもしれない。ずっと十勝に住んでいたら気づけなかったことが沢山ある。東京で暮らしたからこそ気づいた十勝の魅力を伝えるとき。十勝に戻り1年、高田さんはセカンドキャリアを歩み始めたばかり・・・

INTERVIEW LIST

File01.「えぇ、帯広か。」ため息から興味へ変わった瞬間
File02.東京の総務省で6年間働いてた女性が道民になりました。
File03.「十勝」ってすごいんです! ―女子大生の人生を変えた十勝での7日間―
File04.【人生の転機】東京での空白の4年間を埋めるために帯広へ
File06.『二つ返事で北海道!?私たちが聞いた副社長林さんのかっこいい話』

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