この記事を書いた人/市川 麟
大学・学部/早稲田大学 社会学部 3年生
自己紹介
初めまして。神奈川県在住の市川麟です。スポーツと音楽好きの普通の大学生です。十勝と関わり始めたのは2020年の9月から。酪農資材を製造・販売している菱中産業株式会社でインターンをしてからです。その時を境に十勝の人・自然・文化に魅せられています!
とかちbrush Upプロジェクト
全国から9人の大学生が帯広に集まり、”真の地方創生„とはなにかを考える9日間のプロジェクト。
期間中は延べ18の十勝・帯広の企業を訪問し、大学生の視点でその企業が生み出している価値・可能性、持続する仕組みに迫りました。
お邪魔することになった会社は
萩原建設工業株式会社
大正7年(1918年)に創業した十勝では一番歴史のある建設会社。
” 闘魂一途”の社是のもと、「建造物を通して人々の安全・安心を確保し、さらに建造物を通して人々を幸せにする」という建設業の道理を守り、地域社会に貢献していく。
社是は
- 真実であること
- 真面目であること
- 懸命であること
- 真直ぐであること
- 知行合一であること
- 果敢であること
大学生「市川 麟」が見た萩原建設工業
私たちは10日間で1班あたり6社の記事を執筆したのですが、萩原建設工業さんの経営理念のインパクトは6社の中でもダントツでした。
「闘魂一途(とうこんいっと)」!?アントニオ猪木!?
というのが率直な印象です。この令和の時代に、会社の社是に「闘魂」というワードが入っているなんて。。。
どのような人が取材に答えてくれるのか?
昔気質の無口な土建屋さんに取材することになるのか?
記事として書き上げられるのか?
一抹の不安がよぎりました。
一方では、TOKACHI ALIVEという野外音楽フェスを開催するなど萩原建設工業には、ある種の建設会社らしくなさ、普通の建設会社とはどこか異なる雰囲気を感じたのです。
TOKACHI ALIVE 2018年8月25日に開催された道東で最大級の音楽フェス。
サンボマスター、きゃりーぱみゅぱみゅ、山崎まさよしなどなどを含む5組のアーティストが登場。18,000人の入場者を集めた。
おもしろがって働きたいから。/らしくないゼネコン〜十勝100年企業の進化〜
取材をしてみると、事業内容は道路を作ったりビルを建てたりと、まさしくゼネコンそのものというような印象でした。
しかしながら取材に答えてくれた萩原専務と社員の山崎さんの口から働くことを楽しくしたいという言葉が何度も出てきて、そこにお二人の強い哲学を感じました。
冒頭に紹介した「闘魂一途」という社是も、100年続いている安定した企業に甘んじることなく闘魂(挑戦心、ベンチャー精神)を持ち続けて欲しいという思いから来ているそうです。
働くことが楽しければ、社員ひとりひとりが世の中のため・会社のために主体的にチャレンジをするようになります。そうなれば企業の中で変化が起こり、時代の流れに従って進化することができます。
そんな良いサイクルが生まれるためには、社員一人一人が働きやすい環境を整えなければなりません。
事実、萩原建設は女性の育児休業制度や作業現場における女性専用トイレ・休憩所の設置等、女性が環境を積極的に整え、その取り組みは北海道知事から『北海道なでしこ応援企業』として表彰を受けています。
また、外国人の採用も積極的に行った結果、”相手が分かるように伝えようとする・相手が何を伝えようとしているのか考える”コミュニケーションが社員同士のなかに浸透してきているとのことでした。
着実な取り組みによって生まれた、働きやすい環境によって社員一人一人が意見を言いやすくなり、またその意見を受け止める文化が想像されているのであると取材を通して感じました。
そのような環境づくりによって社員が一丸となり、TOKACHI ALIVEのような突飛な企画が実現したのだなと時感じました。
労働時間の短縮だけが働き方改革じゃない!
萩原専務とお話してから、働き方改革について深く考えるようになりました。
働き方改革というと、労働時間を減らして減らして、できるだけ少ない時間で働こうという動きが中心となっている気がします。確かに非効率的な時間を削減して、限りある時間を有効に使うことには賛成だし、人の健康が第一であるべきだとも思います。
でも「仕事=いやなこと」が前提とされる傾向があることは少し残念です。
給料とか、有休消化率とかはひとまず置いておいて、「この業界に貢献したい!」とか「こんな同僚と働きたい!」という思いに従えば、
人生の大部分を占める仕事の時間を、豊かに過ごすことができるのではないかと個人的には感じます。(経営者はそのような個人のやりがいを悪用してはいけないのは言うまでもありません)
自分ができないことに挑戦し、試行錯誤し続けてできることを増やしていく。
そのプロセスを楽しめるような、器のでかい人間になりたいなと考えるようになりました。
企業HPアドレス
http://www.hagiwara-inc.co.jp/