この記事を書いた人/東田 梓
大学・学部/筑波大学比較文化学類二年
キミトカチ大学図鑑とは
現役大学生による大学紹介。ホームページやパンフレットでは分からない大学での学びや生活など、リアルな大学生をなかなかイメージできない十勝のキミに完全個人視点で紹介します。
※記事内容はあくまでも個人の感想です。なにごとも十人十色、千差万別をお忘れなく!
自己紹介
はじめまして!筑波大学比較文化学類2年の東田梓です!幼いころからファンタジー作品の中の人々の暮らしに思いを馳せるのが好きで、大学に入ってからはなんでもない街を旅することに夢中です。帯広には3回、計1ヵ月ほど滞在しました。筑波大学がある茨城とはまったく違う暮らしの習慣や考え方の違いにいつも興味津々です。
筑波大学とは
優柔不断さんとオタクの楽園!
筑波大学は東京ドーム55個分の広すぎるキャンパスに、すべての学類が集約されています。医学から文学、理学、珍しいものだと芸術や体育、図書館学まで。9学群23学類で開講されている授業を、学類に関係なく受講することができます。
また、2021年度には総合学域群という、1年生の間の成績や受講した科目で2年生以降に所属する学類を選ぶ、という新たな学類が新設され、私はその一期生として入学しました。大学であれもこれも勉強してみたい、という優柔不断さんにはぴったりな大学だと思います。
また、筑波大学はオタク気質な人が多いのも特徴です。学内の川で生態調査を行う生物オタク、個人的に大量のサツマイモを収集してコレクションしているイモオタク、編み物オタクに演劇オタクに女装オタクまで。自分の大好きなものを大学で研究している人も多く、人目を気にせず自分の興味に没頭できる環境です。
イモ収集家の先輩のツテで、農研機構のサツマイモの食味調査に参加したことも。
筑波大学にマッチする人とは
- 都会にあこがれているけれど、少しゆっくり暮らしたい人
- 何かすごく好きなものがある人
- <専攻を絞り切れない人/li>
こんなキッカケで入りました!
わたしは一年間の浪人生活の後、筑波大学総合学域群の一期生として入学しました。しかし、その存在を知ったのは共通テスト後。もともとは現役生の頃からずっと大阪大学人間科学部や千葉大学文学部行動科学科を志望していました。
受験生の時に大学を選んだ際の軸は3つ。
- 文化人類学(フィールドワークや異文化体験を通して「人間とは何か」を考える学問です)を専門的、体系的に学べること
- 生物系の授業も取れること(人間の文化と同じくらい、霊長類や鳥類の持つ文化や言語に興味がありました)
- 大学に入ってから専攻を考えられること
そして、その3つを満たす筑波大学比較文化学類にもオープンキャンパスに来ていたのですが、二次試験で数学を選択できないことから志望校から外していました。
お恥ずかしい話ながら、浪人生の時の共通テストで出願科目を間違えてしまい、もともと志望していた大学の受験資格を失いました。絶望の真っ只中にいた中流れてきた総合学域群のCMの「ここには無限の可能性があります」という言葉に強く心惹かれました。また、一期生という立場にもわくわくしたこと、受験科目選択の自由度が高く受験資格を満たせたことから、受験を決意しました。
一年生のときには様々な授業を受け、入学以前は考えにも上らなかった生物資源学類や障害科学類、知識情報•図書館学類や国際総合学類などへの移行も検討し、研究室訪問を繰り返しました。最終的に、初志貫徹、ということで比較文化学類に進級しました。
筑波大学の学びのここが面白い
「自分の好き」を学問に!
私の所属している比較文化学類は6領域18コースに分かれています。厳密にゼミとしてコースが分かれているのではなく、3年次の卒業論文準備演習、4年次の卒業論文の単位さえ取れば自由にいろんなコースの授業を受講することができます。人によれば4年次ぎりぎりまでコースを迷い続ける人も。あまりに選択肢が多いため、比文迷子、という言葉も生まれるくらいです。
演劇に音楽に教育、マンガにゲームにテレビ番組。哲学、農業、宗教、ロボット、ジェンダー……どんなテーマを掲げても、「いいじゃんその研究!」という反応が返ってきて、「自分の好き」を学問としてどこまでも追求することができます。
私自身、いま「農業」や「自然」と文化の関係性に関心があるため、農村地理の実習に参加して千葉県・鴨川市を訪れたり、民俗学実習に参加して長野県・小布施町の栗農家さんのもとを訪ねて栗の栽培の歴史を調べたりしています。それ以外にも、哲学の面から自然を考えたり、映画や音楽が自然をどのように表現してきたかを学んだり……自分の興味のあるテーマに対して、様々な角度から考えることができ、新たな発見がたくさんあります。
民俗学実習でお話を伺った、江戸時代から続く果樹農家さん。代々伝わる古文書を見せていただき、お土産にりんごをたくさんいただきました。
ここはあんまり期待しないでね
東京はそんなに近くない!
筑波大学の最寄り駅となるつくば駅から秋葉原までは、つくばエクスプレスを使って最短45分。結構近いじゃん!と思われるかもしれませんが、片道1000円強、早い終電と終バス、街灯のない道……アルバイトやサークルなどで日常的に通うにはハードルが高く感じます。筑波大学の周りには他大学がほぼないので、都内の大学同士の交流がうらやましくなることも。
建物が古い!虫が多い!
建物が古いところが多いです。私が入学する少し前には屋根が崩落したという噂も……
また、「大学なのか、森なのか」と揶揄されるほどに自然豊かなキャンパスには、野生動物や虫も多く生息しています。
1年生を中心に格安で入居できる学生宿舎がありますが、網戸や窓の建付けの悪さ、隙間風に夏場の虫大量発生など、安さの分それなりに大変です(でも友達ができて楽しいよ!)
退去した時の宿舎。よく同じ号棟の友人たちとパーティーをしていました。
「東田 梓」の学校生活
・サークルは?
“のうりんむら”という農業サークルに所属し、大学近くに畑を借りて農作業をしたり、農家さんのお手伝いをしたりしています。メンバーは農業初心者が大半で、活動は強制参加ではないため、自分のペースで楽しんでいます。時にはもちつきをしたり、みんなで焼き芋を食べたりすることも。
のうりんむらの畑。最近ブラックベリーの苗を植えました。
そのほかに、”Neopolis Bigband”というジャズサークルに所属し、トロンボーンを担当しています。ビッグバンドは17人編成で演奏するジャズバンドです。学園祭や近所のお祭り、年に1度のリサイタルや夏の大会での受賞など、精力的に活動しています。
また、最近筑波大学オタマトーン愛好会の設立メンバーになりました。オタマトーンは筑波大学芸術専門学群出身の明和電機さんが作った音符型のかわいい電子楽器です。これからどんなサークルになっていくのか、たのしみです。
・ゼミは?
比較文化学類では卒業論文の執筆が始まるまでは決まったゼミは存在せず、開講されているゼミ授業や卒論準備演習を自由に受講し、自分だけのカリキュラムを組み立てることができます。
私は卒業論文のコースとしてフィールド文化領域・文化人類学コースを選択予定のため、フィールド文化領域にある民俗学や文化地理学、文化人類学のゼミ演習に多く参加しています。フィールドワークが中心になるコースなので、泊りがけの実習がとても多いのが特徴です。2年次には、千葉県・鴨川で1泊2日、長野県・小布施で3泊4日の実習にそれぞれ参加しました。また、宗教学や歴史にも関心があるため、比較宗教コースの鎌倉・江の島実習に参加したり、サンスクリット語のゼミ授業に参加したりしました。
・お昼は?
5、6箇所ある学食のほかに、パン屋さん・スープ屋さん・ハラール食専門店・キッチンカーなどがあります。
また、学内にスーパーやカフェ、スターバックスもあり、選択肢がとても多いです。
私はお弁当やパンをテイクアウトして、芝生の上でひなたぼっこしながら食べるのがお気に入り。写真はわたしのおすすめ(準備中です、すみません)
喫茶”マルハバン”のチキンオーバーライス(530円)
大学トピックス
大学内にスーパーがある
茨城県内に店舗展開しているスーパーKASUMIが大学構内に出店しています。平砂宿舎のすぐ近くにあるので、通称”平カス”。宿舎暮らしだったころは重宝していました。玉子の安さが売りだったのですが、日に日に値上がりしていて世知辛いです……
大学内にスタバもある
中央図書館の入口にスタバが併設されています。試験勉強の息抜きにちょっとお茶したり、課題をしたり。ここでバイトしている友人もいます。
大学内にバスが通っている
東京ドーム55個分の縦長のキャンパスは、ぐるりと一周すると徒歩1時間半ほどかかってしまいます。そこで、学内と駅を結んで循環する循環バスが走っています。普段は自転車で移動しているのですが、雨の日や荷物が重い日にはとても便利です。
高校生に一言
進路、偏差値、就職、未来……高校生や受験生の間に見える大学の姿はぼんやりとしていて、実感を伴って考えるのが難しいかもしれません。
進学してみて、やっぱり違ったかも、と思ってもいいんです。どの大学に進学しても、どんな進路を取っても、必ずチャンスの種はそこらじゅうに転がっています。縁と恩と運を大切にし、自分の可能性を信じる人こそが、満足のいく大学生活を送れるのだと思います。
この記事を読む貴方の未来が明るいものであることを祈っています。